Multicentric Castleman's Diseaseの1例
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概要
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症例は49歳男性。昭和60年頃より, 背部に無自覚性の暗赤色皮疹出現。その頃より総蛋白の上昇, 血尿を指摘されていた。初診時, 頚部両側, 腋窩, 腹部, 背部に無自覚性, 淡褐色から茶褐色の爪甲大までの局面を認め, 頚部と鼠径部に表在リンパ節を触知した。検査所見にて貧血, ポリクローナル高<I>γ</I>グロブリン血症, CRP高値, ESR亢進, 血清IL-6上昇を認め, 多発性のリンパ節腫脹, 脾腫を認めた。リンパ節生検像にてリンパ濾胞間に形質細胞の増殖を認め, 皮膚生検像にて真皮内の形質細胞を中心とした結節状の細胞浸潤を認めた。以上の所見よりmulticentric Castleman's diseaseと診断し, prednisolone 30 mgにて治療を開始した。皮疹は消退傾向を示し, リンパ節は縮小, 異常所見も改善した為, prednisoloneを漸減した。なお半定量的RT-PCR法による末梢血単核球のIL-6 mRNAの発現は対照に比し有意差はなく, 治療前後においても変化を認めなかった。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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