Foot‐press培養法とNeutral Red染色法を用いた足白せんの検討
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概要
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足白癬患者を通常の試験管培養, foot-press培養法(以下FP法と略す)およびneutral red染色法(以下NR法と略す)を用いて検討した。病変部鱗屑の直接鏡検が陽性で未治療の足白癬患者20例を対象とした。試験管培養は20例中14例が陽性で<I>Trichophyton rubrum</I> 7例, <I>T. mentagrophytes</I> 7例であった。FP法は14例が陽性で, 同じく<I>T. rubrum</I> 7例, <I>T. mentagrophytes</I> 7例であった。集落数は10コロニー未満が12例, 40コロニー以上が2例であった。NR法は判定不能4例を除く, 16例中15例が陽性であった。試験管培養とFP法の関係は, 両者ともに陽性が11例, 試験管培養陽性·FP法陰性が3例, 試験管培養陰性·FP法陽性が3例, 両者陰性が3例であった。しかしながら, 試験管培養陰性の6例はすべてNR法は陽性であった。したがって, 20例すべてにおいて鱗屑中に菌が生きていることが確認され, 菌は生きていてもFP法は20例中6例(30%)で陰性で, 足白癬患者においては大量に菌を散布する症例もあるが, 菌は生きていてもほとんど散布しない症例もあると結論した。以上は感染源として足白癬患者の評価·対処を行う上で重要なことである。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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