ステロイド未使用で軽快したTEN型薬疹
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は60歳の女性。てんかん, 神経症のため精神科で複数の内服薬で治療中であったがtoxic epidermal necrolysis(TEN)型薬疹を生じたため佐賀医科大学附属病院皮膚科に入院した。ほぼ全身の紅斑, 糜爛が認められたが, ステロイド全身投与を一切おこなうことなく, 輸液のみで全身管理をおこない, 広範囲熱傷に準じた局所療法に専念した。経過中, 重篤な敗血症および局所感染をおこすことなく, 完全に上皮化し軽快退院した。退院後施行したリンパ球幼若化試験とパッチテストの両方に陽性を示したカルバマゼピン(テグレトール<SUP>®</SUP>)を今回の原因薬剤と判定した。TEN型薬疹におけるステロイドの全身投与に関しては, 現在議論の別れるところであり, これに関し最近の欧米での流れをふまえ, 若干の考察を加え報告した。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
- 症例 Toxic Epidermal Necrolysis(TEN)型皮疹を呈したDrug-Induced Hypersensitivity Syndrome(DIHS)の1例
- Hydrocortisone17-Butyrate外用剤(Locoid)の使用経験--とくに弗素化ステロイド長期外用例について
- 多彩な皮膚病変を呈した慢性GVHDの1例
- Lupus Erythematosus Profundus に伴って筋の線維化を認めた1例
- 尿素外用剤塗布後の快適性に関する調査