乾せんにおけるエトレチナートからシクロスポリンへの切替え療法の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
乾癬に対する経口治療薬であるエトレチナートからシクロスポリンへの切替え療法の有効性と安全性を検討した。試験期間は最長20週とし, 乾癬患者にシクロスポリン2.5∼5mg/kg/日の投与をおこなった。総症例17例中エトレチナートからの切替え理由として, 無効または効果不十分が12例(70.6%)であった。シクロスポリン投与量は, 切替え時で平均2.6mg/kg/日, 最大投与量は平均3.2mg/kg/日で, 試験開始時に平均20.7であったPASIスコアが, シクロスポリン投与により4週後には平均10.0と有意な改善がみられた。寛解が得られた12週以降の平均投与量は2.7mg/kg/日で, シクロスポリン療法における寛解維持用量の目安になるものと考えられた。全般改善度は「著明改善」が得られた症例は9例(52.9%), また, 有用度では「極めて有用」の症例が8例(47.1%)であった。一方, 副作用発現症例率が41.2%(7/17例, 12件)と高い傾向を示したが, 内容は高血圧, 総ビリルビン上昇などいずれも軽度のもので, 投与量の漸減および中止により軽快した。以上からシクロスポリンはエトレチナートに抵抗性の症例に対しても高い有効性を示し, 有用な治療法であると考えられた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
- 症例 Toxic Epidermal Necrolysis(TEN)型皮疹を呈したDrug-Induced Hypersensitivity Syndrome(DIHS)の1例
- Hydrocortisone17-Butyrate外用剤(Locoid)の使用経験--とくに弗素化ステロイド長期外用例について
- 多彩な皮膚病変を呈した慢性GVHDの1例
- Lupus Erythematosus Profundus に伴って筋の線維化を認めた1例
- 尿素外用剤塗布後の快適性に関する調査