多形日光疹およびその誘発皮疹の免疫組織化学的検討:
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概要
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光線テストにより多形日光疹と診断した4例について, 原発疹と誘発疹を病理組織学的および免疫組織化学的に検討した。全例ともUVBの最少紅斑量(minimal erythema dose: MED)は正常で, UVAに対する異常反応は認められなかった。UVBの2MED量の反復照射により皮疹が誘発された。真皮血管周囲のリンパ球の稠密な浸潤は全例の原発疹と誘発疹に, 表皮基底層の液状変性は原発疹の全例と誘発疹の4例中3例にみられた。また一部の症例では海綿状態もみられた。原発疹, 誘発疹とも真皮の浸潤細胞はほとんどがT細胞で, いずれにおいてもCD4<SUP>+</SUP>細胞がCD8<SUP>+</SUP>細胞に対して優位であった。HLA-DR<SUP>+</SUP>細胞は真皮内に多数認められたが, Langerhans cellは真皮内に少数みられた。ICAM-1は原発疹, 誘発疹とも約半数で血管内皮細胞に陽性であった。一部の症例では, 表皮細胞の一部にもICAM-1が陽性であった。以上の病理·免疫組織化学所見から, 本症の本態が遅延型過敏反応であることが示唆された。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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