水銀による全身性接触皮膚炎
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概要
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19歳の女性。平成7年5月26日朝に水銀体温計を破損し, 机の上に水銀粒が散布したが放置していた。同日夕方頃には全身倦怠感, 微熱, 吐き気があり, 次いで手背, 肘窩, 膝窩にそう痒性紅色皮疹が出現した。翌日, 皮疹は頚部, 躯幹など全身に拡大してきた。2日後, 治療目的で山口大学医学部附属病院皮膚科に入院となった。プレドニゾロン20mg/dayおよびベタメサゾン軟膏外用で治療を開始した。治療開始2日目から解熱し, 全身倦怠感は軽快した。紅斑は12日後には色素沈着となった。パッチテストにおいて, 0.05%塩化第二水銀では陽性, チメロサールは陰性であった。以上の所見から水銀による全身性接触皮膚炎と診断した。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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