へん平苔せん型薬疹
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概要
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64歳の男性に生じた扁平苔癬型薬疹の1例を報告した。躯幹·四肢に生じた痒疹に対し, 塩酸ホモクロルシクリジン(ホモクロミン<SUP>®</SUP>), 塩酸エピナスチン(アレジオン<SUP>®</SUP>)を内服し, その約1ヵ月後から扁平隆起性紅斑が躯幹·四肢に多発した。その後も内服を続け, 内服2ヵ月後に舞鶴共済病院皮膚科を受診した。主に躯幹·四肢伸側に扁平隆起性紅斑が多発し, 発熱·全身倦怠·食欲不振のほか末梢血好酸球増多, 中等度肝障害も認められた。上記2剤の中止·ステロイド外用により1ヵ月で皮疹は消退し肝機能も正常化した。両薬剤ともパッチテストは陰性, スクラッチパッチテストは陽性であった。リンパ球幼若化試験は, 塩酸エピナスチンが陽性, 塩酸ホモクロルシクリジンは陰性であった。内服誘発テストでは両薬剤とも, 1/10錠で紅色丘疹が新生し, 塩酸ホモクロルシクリジン1錠内服2日後には肝酵素上昇も認められた。以上から扁平苔癬型薬疹および薬剤性肝障害の原因として上記2剤が考えられた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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