免疫吸着法(Immunoadsorption Plasmapheresis)が有効であったSLEの3例
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概要
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ステロイド治療抵抗性のSLE3症例に, フェニルアラニンをリガンドとする免疫吸着法(immunoadsorption plasmapheresis, IAP)を行った。症例1は29歳の女性。ステロイドパルス, パラメタゾン, メソトレキセートなどで治療中に再燃した。手指のlivedo, 潰瘍があり, 抗ss-DNA抗体39.7, 抗ds-DNA抗体15.5, Clq 4.7。プレドニゾロン(PSL)40mg, シクロフォスファミド100mg/日内服でも白血球減少, 発熱が続くため, IAP 2回施行したところ, 抗DNA抗体は陰性化, 白血球は1100から4400, CH<SUB>50</SUB>は29.3から45.3へ改善した。症例2は29歳の女性。抗ss-DNA抗体22.8, 抗ds-DNA抗体14.4, 抗カルジオリピンIgG抗体3.2。PSL 40mg/日内服でも低補体価のためIAP 4回施行した。抗ss-DNA抗体が146.8から12.7, 抗ds-DNA抗体が47.2から陰性化, 白血球は4200から7800, CH<SUB>50</SUB>は11.6から26.8へ改善した。症例3は23歳の女性。SLEでPSLを漸減し15mg/日で治療中であったが, 手指潰瘍, 関節痛, 発熱, 全身倦怠感出現し抗ds-DNA抗体も陽性となり, PSL 30mg/日に増量後, IAP 2回施行した。抗ss-DNA抗体, 抗ds-DNA抗体とも陰性化, C<SUB>3</SUB>は33から44, C<SUB>4</SUB>は7から19, CH<SUB>50</SUB>は14.1から24.0と改善した。3例ともPSL漸減によるリバウンド現象はみられなかった。副作用として倦怠感, 発熱, 紫斑, 蕁麻疹, 心房細動がみられたが, いずれも一過性であった。以上からIAPは抗DNA抗体·免疫複合体陽性のSLEに有効で安全な治療法と考えられた。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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