Leukocytoclastic Vasculitisを伴った二次性クリオフィブリノーゲン血症
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概要
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65歳の女性。肺梗塞, 左大腿静脈血栓症の既往があった。平成6年8月, 軽度の右足底痛と下肢に多発した斑状紫斑を主訴に入院した。安静により紫斑は消退したが, 蕁麻疹様紅斑が出現し, 右足から下腿の疼痛が次第に増強した。Angiographyで右下腿動脈血栓症が認められ, 9月21日膝上部での肢切断をおこなった。深部動静脈血栓症を生じる明らかな凝固系の異常は検出されなかった。以後, 抗凝固療法を開始したが11月初旬右前腕の血栓性動脈炎と同時に蕁麻疹様紅斑の出現と好酸球増多が認められた。12月2日からprednisolone 10 mg/日の内服を追加し好酸球増多と蕁麻疹様紅斑は改善したが, 立位負荷時に点状紫斑の出没を繰り返していた。入院時の斑状紫斑, 血栓性静脈炎出現時の蕁麻疹様紅斑, 点状紫斑の病理組織像はいずれもleukocytoclastic vasculitisであった。血漿中にクリオフィブリノーゲンが認められ血栓症の発症時に紫斑や蕁麻疹様紅斑が出現, 増悪したことから, 原因不明の深部動静脈血栓症に伴う二次性クリオフィブリノーゲンによるleukocytoclastic vasculitisと診断した。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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