広範囲に網状皮斑を伴ったBlue Toe Syndrome
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概要
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68歳の男性。6ヵ月前, 経皮的血管拡張術を施行後, 足趾の紫紅色斑と痛みを自覚したが, 約1ヵ月で軽快した。今回は冠動脈造影の翌日に足趾の紫紅色斑が増悪した。12日後, 発熱, 下肢筋肉痛, 躯幹·四肢に網状皮斑と一部に出血性壊死性皮疹がみられ, 腎機能低下をきたした。左大腿からの病理組織像は, 表皮顆粒層から有棘層の核消失と胞体の空胞化, 真皮·脂肪織境界部の小動脈に紡錘形の裂隙を有する好酸性物質の塞栓像を認めた。腎生検でも血管に同様の所見がみられ, コレステロール結晶の塞栓によるblue toe syndromeと診断した。躯幹·四肢の広範囲に網状皮斑が認められたことより, コレステロール結晶の流出が, 腕頭動脈より中枢の上行大動脈で生じたと考えられた。治療としてLDLアフェレーシスを施行された。足趾の紫紅色斑, 網状皮斑は消退し, 全身状態, 腎機能も徐々に改善した。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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