W/O型尿素軟膏の経皮吸収促進作用の評価(2)
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概要
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炎症性苔癬化局面での臨床的有効性をもとにW/O型尿素軟膏の経皮吸収促進作用を生検材料40検体について病理組織学的に細胞数を数値化して評価し結果を報告した[西日皮膚 58: 271-277, 1996.]。この作用の有無をさらに確かめるために今回は左右下腿または大腿の乾癬皮疹に対して0.05%トリアムシノロン軟膏加5%W/O型尿素軟膏を塗布した場合(ミックス)と, 0.1%トリアムシノロン軟膏と10%W/O型尿素軟膏を重ね塗りした場合(重層)とを比較検討した。0.05%トリアムシノロン(TC)軟膏加5%W/O型尿素軟膏(ミックス)と0.1%TCと10%W/O型尿素軟膏の重ね塗り(重層)は乾癬の紅斑, 苔癬化局面を14∼28日外用後にそれぞれ消褪させステロイドは半量であるにもかかわらずミックスが同等の効果を示した。病理組織学的には外用28日後の真皮リンパ球数では重層, ミックスとも差はみられなかった。今回の結果からW/O型尿素軟膏は経皮吸収促進剤として評価できた。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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