小水ほう型と角質増殖型の足白せんに対するペキロンクリームの単独療法と尿素軟膏との併用療法の比較試験
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概要
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小水疱型と角質増殖型の足白癬を対象に塩酸アモロルフィンクリーム(ペキロン<SUP>®</SUP>クリーム)単独塗布群〔P群〕と尿素軟膏併用群(重ね塗り)〔PU群〕の有効性と安全性を1日1回, 8週間外用することにより比較検討した。小水抱型の登録症例はP群53例, PU群48例, 総合効果判定症例はおのおの27例, 24例であった。角質増殖型の登録症例はP群67例, PU群67例, 総合効果判定症例はおのおの40例, 35例であった。小水疱型の最終菌陰性化率はP群85.2%(23/27), PU群75.0%(18/24), 角質増殖型ではP群70.0%(28/40), PU群57.1%(20/35)であった。総合効果判定は小水疱型の有効以上でP群85.2%(23/27), PU群75.0%(18/24), 角質増殖型はP群では70.0%(28/40), PU群57.1%(20/35)であった。副作用は小水疱型のPU群で2例, 角質増殖型のP群で2例に認められた。各病型のP群, PU群の間に統計学的有意差は認められなかったが, P群の方が有効率が高い傾向が認められた。以上の結果から塩酸アモロルフィンクリームは従来の外用抗真菌剤と異なり角質増殖型足白癬に対して尿素軟膏などの角質溶解剤を併用しない単純塗布でも高い治療効果が認められた。従って本クリームは小水疱型のみならず角質増殖型においても高い抗菌活性と角質浸透性, そして角質内での充分な抗菌活性の維持を<I>in vivo</I>においても発揮しているものと示唆された。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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