Pilonidal sinus
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概要
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Pilonidal sinusの1例を報告した。症例は24歳の男性。中学生の頃, 長時間の坐位を契機に尾骨部に有痛性の硬結を生じ時折排膿した。近医にて主に抗生剤で加療されるも難治であり病変は上方の仙骨部まで拡大した。初診時には仙骨部に有痛性の結節と尾骨部に毛髪を内包する瘻孔が認められ, 皮下にはこれらを結ぶように硬結, 浸潤を触れた。Pilonidal sinusの診断にて広範囲な病変の切除を施行し, 術中尾骨部瘻孔と仙骨部の結節が連続していることを確認した。病理組織学的検討では瘻孔は重層扁平上皮よりなる壁をもち, 尾骨部から皮下を上行し仙骨部結節に達していたが, 上皮性瘻孔壁はこの結節部分で消失していた。瘻孔内には毛髪が内包され一部は瘻孔先端で皮下組織へ排出され, また一部は上皮成分を貫通し多数の炎症性細胞浸潤がみられた。これらの所見は本症の後天説を裏付けるものであった。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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