シクロスポリンが奏効した骨関節症状を伴った掌せき膿ほう症
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概要
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32歳の男性の激しい骨関節症状を伴う掌蹠膿疱症の1例を報告した。関節痛はステロイド内服, エトレチナート内服にて難治であったがシクロスポリン3mg/kg/日投与開始数日後より速やかに減少した。一方膿疱や爪の変形はシクロスポリン投与により軽快したが完全には消退しなかった。症例はパッチテストにて種々の金属に陽性反応を呈し口腔内に歯科金属および齲歯, 歯根膜炎が認められ, さらに上気道炎の罹患時に皮疹の増悪がみられるという病歴を有していたため歯科金属除去を含む歯科治療と扁桃摘出術を行った。歯科治療, 扁桃摘出術後に皮疹は略治しシクロスポリンの離脱が行い得た。激しい骨関節症状を伴う掌蹠膿疱症に対してシクロスポリンはきわめて有用であると思われた。またシクロスポリンの投与開始後も金属アレルギーや感染病巣の検索, それらに対する治療を積極的に併用しながら経過観察をしていくことも重要であると思われた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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