内歯ろうが原因と考えられた多形しん出性紅斑
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概要
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58歳の女性。3年前から両下腿にそう痒を伴った紅色皮疹が出没するようになった。臨床症状および病理組織学的所見より多形滲出性紅斑と診断した。当院歯科口腔外科にて左上顎部第1大臼歯の内歯瘻を指摘され同部の抜歯術を施行されたところ一過性の増悪がみられた後, 両下腿の皮疹は速やかに消退した。抜歯前は末梢血球数, 血沈値, CRP, ASO値などは正常であったが抜歯後, 皮疹の増悪時に一致して一過性に異常値を示した。これらのことより自験例は内歯瘻が誘因となったものと思われた。難治の多形滲出性紅斑の症例では病巣感染がある可能性を考えるべきと思われた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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