D‐ペニシラミン投与中に再生不良性貧血を生じた全身性強皮症
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概要
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54歳の男性。51歳で発症した食道病変を伴う全身性強皮症患者にD-ペニシラミンを投与し再生不良性貧血が生じた1例を報告した。D-ペニシラミン投与を開始し約15ヵ月後(100mg/日から400mg/日まで漸増, 総投与量156.1g)に汎血球減少症, 骨髄低形成が生じ当科に入院した。D-ペニシラミン投与中止後約5ヵ月間は対症療法が行われたが改善はみられず, 約6ヵ月目からシクロスポリンの投与(開始時5mg/kg/日, 3週後に2.2mg/日まで漸減)に切り替え, 約1ヵ月後から末梢血液像の改善が認められ始め, シクロスポリン開始約12週目からプレドニゾロンの併用(初回40mg/日, 3週後に20mg/日まで漸減)を行い, 輸血せずに末梢血液像が維持されるようになった。本症例ではD-ペニシラミン投与後に汎血球減少と抗核抗体の上昇が認められ, 免疫抑制剤の投与で軽快したため, これら一連の現象には何らかの免疫学的機序の関与が考えられた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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