ダンベル型を呈した巨大脂肪腫
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概要
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15歳の男性の大腿から臀部にかけて生じた巨大脂肪腫の1例を報告した。10歳頃に左大腿後面の軟性腫瘤に気付いたが, その後徐々に大きくなったため切除した。手術時, 皮下に鵞卵大の腫瘤と臀筋内に手挙大の腫瘤を認め, これらは大腿筋膜貫通部でくびれて連続しており肉眼的にダンベル型であった。組織学的には成熟脂肪細胞の増殖が主であり, 一部に脂肪芽細胞も認められた。腫瘍間質は厚い結合組織よりなり, 一部粘液腫様であった。通常の脂肪腫は成長が緩徐であるといわれているが時に急速な増大や局所再発を起こすものがあり, それらは自験例と同様の組織像を示すことが多い。自験例はいわゆるatypical lipomaと考えられるがlipoma-like well differentiated liposarcomaの名称とともに好ましい名称であるとは思われない。本症は単なるlipomaの増殖能の強い一亜型である可能性もあるが形状, 発生部位, 組織像などにやや違いがあり再発に注意しながら経過観察する必要があると思われる。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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