重症および中等症のアトピー性皮膚炎に対するオキサトミド(セルテクト)の臨床評価 血中PAF値,ECP値,IgE値,好酸球数の変動:—血中PAF値, ECP値, IgE値, 好酸球数の変動—
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概要
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重症および中等症のアトピー性皮膚炎(AD)患者32例に対しオキサトミド(セルテクト<SUP>®</SUP>)を投与し, その前後における臨床症状, 血中のplatelet activating factor(PAF)値, eosimophil cationic protein(ECP)値, IgE値, 好酸球数を検討した。PAF値は中等症·重症いずれの例でも正常値より高くADへの関与が示唆されたが, 重症4例では投与後に増加傾向がみられ, 皮膚病変部でのPAFの測定など今後の検討が必要と考えられた。投与前のECP値も中等症·重症いずれも高値で, 重症例では投与後に低下傾向が認められたが有意差はなかった。IgE値は, 中等症·重症いずれにおいても高値で, とくに重症例に顕著であったが投与後も変動はみられなかった。好酸球数は, 投与前の重症例において増加しており, 投与後減少したが有意差は認められなかった。臨床症状などからの有用度判定では, 有用以上45.7%(やや有用以上85.7%)と高くはなかったものの, 今回は症例数が少なく中等症以上を対象としたこと, また, 血中PAF値, ECP値などの測定を目的として4週間のみの投与としたこと, などがその原因と考えられた。副作用は, 35例中6例に眠気がみられたが多くは軽度で, 1例だけで中止し速やかに軽快した。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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