コウジ酸配合外用剤の顔面色素沈着症に対する使用経験
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概要
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コウジ酸配合のクリームは美白剤として, 三省製薬株式会社によって初めて開発された。従来のコウジ酸配合製剤は1%のコウジ酸配合クリームのみであったが, 新たに0.5%コウジ酸配合ミルクローション, 0.5%コウジ酸配合ローション, 0.5%コウジ酸配合エッセンスが開発され, さらに, liquiritin含有1%コウジ酸配合クリーム(コウジ酸クリームL)が開発された。コウジ酸とliquiritinは併用により濃度依存的にB16細胞の白色化が顕著になり, またコウジ酸クリームLにはliquiritinを含まないコウジ酸クリームより優れた色素沈着抑制作用が認められ, コウジ酸クリームにliquiritinを添加することにより, コウジ酸の美白作用は相加的に増強することが示唆された。Liquiritin含有のコウジ酸クリームLについては, 比較的重症の患者に効果の発現時期も早く, 優れた有効性を示すと考えられた。また安全性についてはとくに問題はなかった。さらに新たに開発された剤型のコウジ酸ミルクローション, コウジ酸ローション, コウジ酸エッセンスについては十分な効果が認められ, コウジ酸配合製剤の使用性は高まるものと考えられる。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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