外科的切除により治癒せしめた限局性皮膚クリプトコックス症 症例報告と本邦報告例の検討:—症例報告と本邦報告例の検討—
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概要
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89歳の男性に生じた限局性皮膚クリプトコックス症の1例を報告した。臨床像は頭頂部の痂皮を付着する3×3cm大の潰瘍で, 表在リンパ節腫脹はなかった。病理組織像は巨細胞を混じる類上皮細胞性肉芽腫で, PAS陽性の胞子を認めた。膿汁の墨汁染色で莢膜を有する菌要素を認め, またサブロー培地でクリーム状集落を得, 分離菌は<I>Cryptococcus neoformans</I>と同定し胸部X線写真には異常はなかった。治療は潰瘍辺縁から1cm離して病巣部を全切除した。切除標本の断端には菌要素は認めず, 術後14ヵ月経過した現在まで再発は認められない。限局性皮膚クリプトコックス症の本邦報告例をまとめ若干の考察を加えた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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