Rud症候群の2例
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概要
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11歳の男児と6歳の女児のRud症候群の2例を報告した。第1例の男児には先天性魚鱗癬に脳波異常, 精神遅滞, 間脳下垂体系不全を認めた。皮膚症状は, 小葉状白色の鱗屑を伴う, 全身の著しい潮紅が主体であり, 眼瞼外反や指関節拘縮もみられた。病理組織学的には, 角質増生と不全角化, 表皮肥厚を認め, 臨床所見からも非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症と考えられた。第2例の女児は先天性魚鱗癬, 脳波異常, 著しい精神遅滞を認めるものの, 内分泌学的異常を示さなかった。皮膚症状は厚く褐色で大葉状の鱗屑が付着し, 潮紅を認めるが, その潮紅の程度は前者に比べて軽度であった。主な病理組織学的所見は, 角質増生と表皮肥厚であるが, 第1例と異なり不全角化を認めず, 臨床所見からも葉状魚鱗癬と診断した。また, 遺伝学的検索により母親と母方の父である祖父との間に生まれた可能性が高いことが判明した。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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