Multiple Hamartoma Syndrome(Cowden病)が考えられた1症例
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概要
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23歳の男性の皮膚およびその他の諸臓器に多様な腫瘤形成がみられた1症例を報告した。7歳頃から顔面に, さらに15歳頃から躯幹および四肢にも小豆大から小指頭大の角化性丘疹および結節が多発しており, 切除するも再発を繰り返していた。当科受診後に順次いくつかの皮疹を切除した。皮疹は, 病理組織学的には, 真皮の線維芽細胞の高度な増生や膠原線維の不規則な増生あるいはムチン様物質を含んだ粘液変性を主体とする過誤腫であったが, 部位によってもあるいは同一標本内でもこれら各組織像の比率は多様であった。全身検索で内耳に腫瘤(病理組織検査未実施), 甲状腺腫, 咽頭ポリープ, 大腸憩室, 肝血管腫, 睾丸の大細胞性石灰化sertori細胞腫などを認めた。すでに死亡している母親と, 兄にも全身に多発性の腫瘤がみられ, その病理組織像は過誤腫であったため, 自験例は遺伝性, 家族性に過誤腫が発症するmultiple hamartoma syndrome(Cowden病)に類する疾患と考えられた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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