皮膚そうよう症および皮脂欠乏性湿疹に対するロフラゼプ酸エチル(メイラックス)の臨床的検討
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概要
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高齢者で, とくに精神的要素の関与が強く示唆される皮膚そう痒症7例, 皮脂欠乏性湿疹24例計31例に対して, ステロイドあるいは非ステロイド系軟膏を用いる従来の治療に心身安定剤ロフラゼブ酸エチル(メイラックス錠<SUP>®</SUP>)の内服を加え, 心身医学的視点に立って臨床効果を検証した。また心身安定剤を併用することによりステロイド軟膏をよりマイルドなものに切り替えられるかについても検討した。最終全般改善度は全31症例のうち著明改善16例(51.6%), 中等度改善以上24例(77.4%)であった。疾患別の評価では皮膚そう痒症は中等度改善以上7例中6例(85.7%), 皮脂欠乏性湿疹は中等度改善以上24例中18例(75.0%)であった。症状の推移については, 皮膚症状, 精神症状, 睡眠状況とも投与前と比較して, 投与2週および4週後と経時的に正常へと推移した。とくにそう痒についてはメイラックス<SUP>®</SUP>投与前の高度, 中等度計22例が投与4週後には完全に症状が消失した。またメイラックス<SUP>®</SUP>内服との併用によりマイルドなステロイド軟膏に切り替えることができ, ステロイド外用の副作用の減少にも役立つものと思われる。今後高齢者で, とくに精神的要素の関与が強く示唆される皮膚疾患に対して, メイラックス<SUP>®</SUP>の併用は積極的に試みる治療法のひとつとなろう。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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