ACR‐59軟膏のじょくそうに対する臨床効果 軟膏基剤を対照とする二重盲検比較試験:—軟膏基剤を対照とする二重盲検比較試験—
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概要
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2<I>μ</I>kat/g ACR-59軟膏とその基剤を用い, 壊死組織を有する褥瘡を対象として有効性, 安全性および有用性を二重盲検比較試験により比較検討した。背景因子の褥瘡の到達度で偏りがみられたが, 基剤群を軽症と重症に分けて改善度および有用度を統計的に検討した結果, 有意差は認められず, 到達度の偏りは薬効評価に影響を及ぼさないと判断した。その結果, 全般改善度については統計的な有意差は認められなかったが, 改善率ではACR-59軟膏群が上回っていた。概括安全度(原則日)については, ほぼ安全以上がACR-59軟膏群では100%であった。有用度については統計的な有意差は認められなかったが, 有用率ではACR-59軟膏群が上回っていた。副作用は, ACR-59軟膏群に1例, 基剤群に2例みられたが, 薬剤との関連性は不明であった。終了日においては, ほぼ安全以上がACR-59軟膏群では100%であった。また本剤に起因すると考えられる臨床検査値の異常は認められなかった。褥瘡表面の痂皮は薬剤の壊死組織への浸透を妨害するので, 痂皮未処置例を除外して解析を行ったところ, 有用度においてWilcoxonの順位和検定では有意な差が認められた。以上のことより, ACR-59軟膏は基剤に比べて, 表面に痂皮のついてない褥瘡に対して壊死組織除去効果がすぐれていると思われ, また安全な薬剤と考えられる。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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