佐賀医科大学皮膚科における10年間の天ほうそう群,類天ほうそう群患者の統計と予後
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概要
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佐賀医科大学皮膚科診療開始以来10年間で経験した天疱瘡群15例, 類天疱瘡群17例の計32例についてその予後を中心に検討した。観察期間は, 天疱瘡群は4ヵ月∼8年4ヵ月, 平均3年4ヵ月であり, 類天疱瘡群は2ヵ月∼10年, 平均3年10ヵ月であった。現在完治の症例は天疱瘡群1例, 類天疱瘡群6例であり, 類天疱瘡は天疱瘡に比べ治癒する症例が多く, また, 若年発症であるほど予後良好であった。プレドニゾロン(PSL)のみでコントロールできた症例は, 天疱瘡群25%, 類天疱瘡群33%であり, 他はDDS, あるいはビブラマイシン·ニコチン酸アミド併用療法が必要であった。併用療法により, PSLのみで寛解しなかった症例すべてにおいてPSL 20mg以下まで減量可能となった。ステロイド療法にビブラマイシン·ニコチン酸アミドまたはDDSを併用することにより, ステロイドの減量可能となる症例が多く, これらの併用療法は有用と考えられた。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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