ACR‐59軟膏の熱傷に対する臨床効果(2) 塩化リゾチーム軟膏との無作為群間比較試験:—塩化リゾチーム軟膏との無作為群間比較試験—
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概要
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創傷面に壊死組織を有する深達性II度∼III度熱傷を対象として, ACR-59を2<I>μ</I>kat/g含有する疎水性軟膏と50mg(力価)/gの塩化リゾチームを含有する乳剤性軟膏を用い, 有効性, 安全性および有用性を, 電話法を用いるwell-controlled comparative studyで比較検討した。対象症例の背景因子を検討したところ, 有意な偏りはなく, 比較試験として適切であることが確認された。その結果, 壊死組織の改善度については, Wilcoxonの順位和検定および累積<I>χ</I><SUP>2</SUP>検定において有意な差が認められた。概括安全度(原則日)については, ほぼ安全以上がACR-59軟膏群では100.0%であった。壊死組織に対する有用度についてもWilcoxonの順位和検定および累積<I>χ</I><SUP>2</SUP>検定において有意な差が認められた。副作用については, ACR-59軟膏群と塩化リゾチーム軟膏群に1例ずつみられたが, 薬剤との関連性は不明であった。なお終了日において, ほぼ安全以上がACR-59軟膏群では98.3%であった。また本剤に起因すると考えられる臨床検査値の異常は認められなかった。以上のことより, ACR-59軟膏は塩化リゾチーム軟膏に比べて, 熱傷における壊死組織除去剤としての効果がすぐれていると考えられる。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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