健常者およびレイノー現象有症者における抗核抗体
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概要
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女性の住民検診受診者のうち30∼60代の健常者177名と一次性レイノー現象有症者6名について, HEp-2細胞による間接蛍光抗体法を用い血清中の抗核抗体の分布を検討したところ, 1)抗核抗体の陽性(40倍以上)率は健常者で16.4%(29/177), レイノー現象有症者で50%(3/6)であった。2)抗核抗体陽性者の染色パターンおよび抗体価については, 健常者では均質型が69.0%と最も多く, 17.2%が抗体価160倍以上であった。一方, レイノー現象有症者では斑紋型, 散在斑紋型, 斑紋+散在斑紋型を呈した者が1名ずつあり, いずれも抗体価160倍以上であった。3)レイノー現象有症者では発作頻度の高い者に抗核抗体が陽性となる傾向が認められた。以上から, レイノー現象有症者においては高抗体価の斑紋型あるいは散在斑紋型を呈することが特徴的であると推測された。また, 抗核抗体陽性者の場合膠原病が潜在している可能性もあり, 今後経過観察の必要性があると思われた。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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