成人型アトピー性皮膚炎患者の血清中サイトカイン値 ケトチフェンによる治療前後の変動について:—ケトチフェンによる治療前後の変動について—
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
95例の成人型アトピー性皮膚炎患者について血清中IL-2, IL-4, GM-CSFの値をELISA法で測定し, ケトチフェン治療によるその変動および血中好酸球数をはじめとする他の検査値との関連性について検討した。血清IL-4, GM-CSF値はほとんどの症例において低値であったが, 血清IL-2値は19例(20%)において比較的高値を示し, ケトチフェン治療による臨床症状の軽快とともに低下する傾向が認められた。同時に測定した他の検査値(IgE, 血中ヒスタミン値, 血中好酸球数など)との相関はみられなかった。末梢血好酸球数が治療前に6%以上を示した症例ではケトチフェンの投与により, 末梢血好酸球数の有意の低下がみられた。アトピー性皮膚炎として典型的な皮疹を呈した1例の生検標本では組織中のEG<SUB>2</SUB>陽性細胞の染色性が治療によって低下していた。これらの結果はアトピー性皮膚炎の発症機序あるいはケトチフェンの臨床効果の背景に, 好酸球とともにT細胞の関与の重要性を示唆するものと考えた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
- 症例 Toxic Epidermal Necrolysis(TEN)型皮疹を呈したDrug-Induced Hypersensitivity Syndrome(DIHS)の1例
- Hydrocortisone17-Butyrate外用剤(Locoid)の使用経験--とくに弗素化ステロイド長期外用例について
- 多彩な皮膚病変を呈した慢性GVHDの1例
- Lupus Erythematosus Profundus に伴って筋の線維化を認めた1例
- 尿素外用剤塗布後の快適性に関する調査