潰よう性大腸炎に併発した壊そ性膿皮症
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概要
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44歳女子。昭和48年より潰瘍性大腸炎に罹患し, 寛解と再燃·増悪を繰り返していた。平成2年3月に全身の関節痛を来し, 四肢関節部に一致して皮下膿瘍が多発した。膿瘍は切開排膿により潰瘍化し, 病巣の拡大を来した。潰瘍部からの細菌培養は常に陰性であった。潰瘍周辺の浸潤性紅斑からの生検像では, 真皮中·下層に, 血管壁の肥厚と, 小単核球を主体とした血管周囲性の細胞浸潤が認められた。螢光抗体直接法では肥厚した血管壁に一致してIgM, C<SUB>3</SUB>の沈着が観察された。全身状態の改善と共に潰瘍も治癒した。臨床経過および組織学的所見より潰瘍性大腸炎に併発した壊疽性膿皮症と診断した。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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