Ketotifenの抗炎症作用機序の検討
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概要
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抗アレルギー剤の1つであるketotifenの好中球由来活性酸素(reactive oxygen species: ROS)産生能に及ぼす影響を, superoxide radical anion, hydrogen peroxide, hydroxyl radicalについて検討した。またcell-freeのROS産生系であるxanthine-xanthine oxidase系についても調べた。その結果, ketotifenは好中球系において3種類のROSを濃度依存性に抑制することが判明した。一方xanthine-xanthine oxidase系では, ketotifenは3種類のROSに対して全く影響を及ぼさなかった。これらの結果より, ketotifenは産生されたROSに対してscavenger(捕捉除去)作用を示すことによってROSを低下させるのではなく, 細胞機能に作用することによりROS産生を抑制し, 抗炎症作用を発揮すると考えられた。このことは, ketotifenが好中球による炎症を伴ったアレルギー性疾患に対して有効である可能性を示唆するものと思われる。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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