類上皮肉腫
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概要
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36歳女子, 右第1指に発生した類上皮肉腫の1例を報告した。初回生検では, 膠原線維の増生と類円形ないし紡錘形の細胞の増殖をみとめたが, 細胞の異型性は軽度で, 確定診断に至らなかった。約2年後, 右上肢から, 右大胸筋外側縁にかけて多発性に結節性の病巣を生じてきたため再受診した。再受診時の病理組織は真皮内に異型の強い核と好酸性の豊富な細胞質を持つ多角形ないし類円形細胞の充実性の増殖を示し, 免疫組織化学的に増殖する細胞はビメンチン, EMA, サイトケラチンにそれぞれ陽性であった。電顕的に胞体内の豊富な中間径フィラメント, 細胞表面の多数の微絨毛, 一部の細胞周囲のbasal laminaの形成をみとめ, 滑膜肉腫細胞との類似性が高いと考えられた。患者が宗教的理由により手術を拒否したため, 放射線照射, 温熱療法, インターロイキン-2の全身的使用にて治療したところ, 原発巣を含めて全ての病変部の縮小をみた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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