小児のDermatofibrosarcoma Protuberans
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概要
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11歳時, 右鼠径部, 下着のゴムのあたる部位に, 小指頭大のそう痒を伴う淡紫紅色斑として初発し, 13歳時, 同部の隆起を主訴として当科を受診した。臨床的に隆起性皮膚線維肉腫(dermatofibrosarcoma protuberans: DFSP)を疑つて切除した。病理組織学的には, 腫瘍細胞は典型的な花むしろ模様(storiform pattern)を形成しており, DFSPに一致する所見と考えられたが, 腫瘍結節の一部に, 腫瘍細胞が特定の増殖形態をとらず密に増殖している個所がみられた。その後, 経過観察していたところ, 3年半後に同部に腫瘤が再発したため, 再入院となり, 周囲の正常部も含めて広範囲に腫瘤切除を施行した。近年DFSPに対しては, 初回より広範囲切除術が行われているが, それにもかかわらず再発例がみられること, 組織学的に一部に線維肉腫様変化が認められたDFSPは再発する率が高いことなどより, 組織学的に典型的所見, つまり均一な花むしろ模様を呈しないDFSPは, 広範囲切除後も特に長期にわたる経過観察の必要があると考えた。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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