原発性マクログロブリン血症に合併したSweet症候群
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
57歳女子。1988年9月原発性マクログロブリン血症, 1989年6月アルコール性肝硬変の診断を受け内科通院中であつた。1989年8月27日, 40℃におよぶ発熱とともに顔面, 四肢に有痛性の浮腫性紅斑が出現し, 一部に水疱を伴つていた。汎血球減少と白血球の核の左方移動, ESR亢進, CRPの上昇を認めた。喀痰, 血液培養で細菌を検出。皮疹は組織学的に真皮の好中球を主体とする細胞浸潤が著明でSweet症候群と診断した。皮疹の消退にはPSL40mg/日を要した。悪性腫瘍に伴うSweet症候群は調べ得た限り現在まで70例(自験例を含む)の報告がある。そのうち55例は造血器系腫瘍との合併であり, 急性骨髄性白血病が26例ともつとも多く, myelodysplastic syndromeが14例とこれに次ぐ。リンパ球系の腫瘍は7例で, そのうち多発性骨髄腫が2例, 原発性マクログロブリン血症との合併の報告は自験例が初めてと思われる。これら悪性腫瘍におけるSweet症候群の発生機序について考察を加えた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
- 症例 Toxic Epidermal Necrolysis(TEN)型皮疹を呈したDrug-Induced Hypersensitivity Syndrome(DIHS)の1例
- Hydrocortisone17-Butyrate外用剤(Locoid)の使用経験--とくに弗素化ステロイド長期外用例について
- 多彩な皮膚病変を呈した慢性GVHDの1例
- Lupus Erythematosus Profundus に伴って筋の線維化を認めた1例
- 尿素外用剤塗布後の快適性に関する調査