人口20万都市における帯状ほう疹の統計的観察
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概要
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昭和63年1月より12月までの1年間に, 隣接する宇部市と小野田市の2市で皮膚科医と麻酔科医を受診した帯状疱疹患者は1002例であつた。この1002例の患者につき統計的観察を行つた。その結果, 1)季節的には夏期に多く, 春にも少し多い傾向がみられた。2)女子にやや多く(男:女=1:1.4), 年齢的には50歳∼70歳代に最も多かつたが, 10歳代にも小さな山があり2峰性を示した。3)発生部位は胸·上肢が多かつた。4)基礎疾患を有するものは年齢別で大きな差がみられ10歳未満で7.9%, 10歳代で5.6%, 60歳代で35.4%, 70歳代で53.3%であつた。5)再罹患例は7例あり, うち1例は3度目の罹患であつた。6)発病後1ヵ月以上疼痛が続いた症例は52例(5.2%)であり, 70歳代が最も多く20例であつた。7)汎発性帯状疱疹は30例あり, 60歳代, 70歳代に多かつたが小児にも2例みられた。8)Hunt症候群を併発したものは7例, 9)眼疾患を併発したものは5例, 10)複発性帯状疱疹は3例であつた。11)悪性腫瘍を伴つた帯状疱疹患者は16例(1.6%)であつた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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