局所麻酔薬含有外用剤の有用性についての検討 第1報
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概要
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われわれの施設で独自に開発した局所麻酔剤含有外用剤を使用する機会を得た。本剤は局所麻酔薬としてlidocaineを10%含有するゲル状の物質で, 経皮吸収の促進と局所刺激の抑制を目的としてグリチルレチン酸モノヘミフタレートジナトリウム塩他が配合されている。今回本剤の除痛効果および安全性について若干の検討を加えた。パッチテストでは局所, 全身共とくに問題となるような所見は認められなかつた。経皮吸収量の指標として末梢血中のlidocaine濃度の測定を行つた結果, 薬剤の貼付部位や個体によりその数値に差を認めた。さらに臨床応用として凍結療法に際し同一個体の同一部位に使用した例では, 貼付部位の皮膚の状態により血中濃度がかなり大きく変動することが認められた。このように安全性や適応について検討の余地があるものの, 本剤は密封包帯法による使用で充分な除痛効果が得られ, 今後凍結療法やverrucaの処置など皮膚外科領域での有用性が期待された。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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