毛鞘ケラチンと毛包腫よう (5) ケラトアカントーマの毛鞘ケラチンと病理組織学的毛包構造:表皮細胞性のSCCとhistogenesisの相違と病理組織学的鑑別について:—ケラトアカントーマの毛鞘ケラチンと病理組織学的毛包構造: 表皮細胞性のSCCとhistogenesisの相違と病理組織学的鑑別について—
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
著者らは最近経験したケラトアカントーマ(KA)3腫瘍からケラチンを抽出, 二次元電気泳動法で, 3腫瘍いずれからも毛鞘ケラチン(Mollケラチンカタログ, No. 6, No. 16, No. 17)を検出した。表皮ケラチン(MollカタログNo. 1)は3腫瘍中1腫瘍にわずかに検出されるにすぎなかつた。その結果はKAがcell biologicalにも毛鞘(毛包性)腫瘍であることを明らかにしたものである。教室過去13年間のKA17症例を毛鞘腫瘍としての毛包構造の存在を病理組織学的に再検索し, 1)anagen角化細胞, 2)squamouse eddy, 3)trichilemmal keratinization(TK)および4)澄明細胞の存在を有意義に認めた。その中でクレター角化部に向かつてTK化し, また腫瘍巣中に小渦巻構造を形成, 中心部にTK化する澄明細胞をほぼ全腫瘍において認めた。KAでは病理組織学的に腫瘍のlipped marginあるいはそれをこえて異型細胞浸潤像がみられsquamous cell carcinomaとの鑑別は困難なことがある。従来のKAのSCC鑑別criteriaに, 毛包構造の検索はKAをSCCと病理組織学的に鑑別する重要なcriteriaとなりうると考えられた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
- 症例 Toxic Epidermal Necrolysis(TEN)型皮疹を呈したDrug-Induced Hypersensitivity Syndrome(DIHS)の1例
- Hydrocortisone17-Butyrate外用剤(Locoid)の使用経験--とくに弗素化ステロイド長期外用例について
- 多彩な皮膚病変を呈した慢性GVHDの1例
- Lupus Erythematosus Profundus に伴って筋の線維化を認めた1例
- 尿素外用剤塗布後の快適性に関する調査