Necrotizing Fasciitisと考えられる1例
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概要
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糖尿病, 慢性アルコール性肝障害, 鉄欠乏性貧血などの基礎疾患を有する56歳の男子に発症した, 壊死性筋膜炎と考えられる1例を報告した。手術, 外傷などの既往がなく, 左下肢の疼痛が出現し, その7日後に多発性に紅斑, 紫斑, 水疱が認められた。組織学的に, 表皮下の水疱と, 真皮から皮下脂肪組織にかけての小血管内腔のフィブリンによる閉塞および細胞浸潤が認められた。水疱内容物の培養から<I>Streptococcus pneumoniae</I>および<I>Staphylococcus aureus</I>が同定され, 動脈血の培養から<I>Enterobacter cloacae</I>が同定された。抗生物質の全身療法にもかかわらず, 皮疹は短期間に急速に拡大し, 臍を越えて左胸部, 背部および上肢におよぶ壊死性病変を形成し, 左半身の著しい腫脹を示した。早期の診断, 皮疹部の外科的切除を成し得ず, 患者は敗血症性ショックから播種性血管内凝固症候群を併発して死亡した。本邦では報告の少ない本疾患について, 若干の文献的考察を加えた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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