Sucroseのラット皮膚欠損創治癒過程におよぼす影響:—とくに組織内多糖体に関する組織学的検討を中心として—
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概要
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ラットの背部皮膚にトレパンによる欠損創を作製し, その治癒過程に対する70%sucrose水溶液塗布の影響を6日間にわたつて観察した。治癒の指標として表皮のグリコーゲン量および真皮のヒアルロン酸量の各々の変動を組織学的に観察した。対照群には精製水を塗布した。その結果, 対照群, sucrose塗布群のいずれにおいても, グリコーゲン量は欠損創作製4日後に最大となり, sucrose塗布群でより高値となる傾向があつた。また再生表皮の分裂期表皮細胞数の増加とグリコーゲン量の増加はよく相関した。一方, ヒアルロン酸量は, 対照群で欠損創作製1日後から増加し4日後からは低下し始め6日後には1日後と同じ程度に低下した。Sucrose塗布群のヒアルロン酸量は対照群に比べ2日後, 3日後に高い傾向にあり6日後には低くなる傾向にあつた。これらの成績はsucroseが創傷治癒促進効果を発揮し得る可能性を示したものと考えられる。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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