帯状疱疹の臨床的観察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
帯状疱疹154症例につき, (1)部位, (2)基礎疾患·誘因, (3)疼痛の経過などに注目し, 高令群(50才以上)と若年群(50才未満)に分けて臨床的に検討した。部位では両群ともに三叉神経第1枝領域に最も多いが, 高令群では第2, 10胸神経領域がこれにつぎ, 神経痛の持続もこれらの部位の例にめだつた。基礎疾患·誘因では循環器疾患, 悪性腫瘍が多く, 若年群では疲労を誘因とした例がめだつた。局所誘因としては外傷, 放射線照射などがあり, これらでは局所の小血管障害, 局所免疫の低下が発症に関与している可能性が考えられた。基礎疾患のうち, 胆嚢疾患, 妊娠などでは原疾患の知覚過敏帯, 圧痛点を含む分節に多く発症していた。疼痛については病初期の強い痛み, 持続鈍痛, 瞬時痛, 感覚異常が経過とともに出現した。病初期の強い痛みの期間には年令層による差はなく, 瞬時痛, 感覚異常では高令群に長期持続がめだつた。本症の痛みはその時期により発生機序が異なると思われた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
- 症例 Toxic Epidermal Necrolysis(TEN)型皮疹を呈したDrug-Induced Hypersensitivity Syndrome(DIHS)の1例
- Hydrocortisone17-Butyrate外用剤(Locoid)の使用経験--とくに弗素化ステロイド長期外用例について
- 多彩な皮膚病変を呈した慢性GVHDの1例
- Lupus Erythematosus Profundus に伴って筋の線維化を認めた1例
- 尿素外用剤塗布後の快適性に関する調査