苔癬型薬疹
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概要
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苔癬型薬疹の原因には従来, 砒素, 金製剤, 抗マラリア剤, 抗結核剤, サイアザイド系降圧利尿剤, スルフォニール·ウレア系糖尿病剤が知られていたが, 最近では欧米に比べ脳代謝改善剤, 末梢血管改善剤によるものがはるかに増加しており全報告数の66.7%を占めていた。教室で経験した苔癬型薬疹のうち, 定型的な扁平苔癬の組織像を呈する症例は37.5%であつた。苔癬型組織反応を呈する疾患は扁平苔癬, LE, graft vs host反応, 苔癬様日光角化症など多数あるが, 扁平苔癬では発症初期にランゲルハンス細胞の増加, Tリンパ球の表皮·真皮内浸潤, ついで基底層ケラチノサイトの破壊と再生が起ることからこれらの疾患の発生に遅延型アレルギーが関与していると考えられる。治療には, 原因薬剤の中止, 抗ヒスタミン剤, 副腎皮質ホルモン剤の外用のほかPUVA療法, エトレチネート, グリセオフルビンなどが有効である。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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