正常皮膚におけるS100蛋白の局在
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概要
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今回われわれは正常皮膚でのS100蛋白の局在を検索しつぎのような所見を得た。<BR> 1) 末梢神経では, シュワン細胞のみに局在するものと思われる。血管周囲, 汗腺周囲, 毛包周囲, 起毛筋内神経, Meissner小体およびVater-Pacini小体(内棍のみ)に局在を見た。<BR> 2) 表皮では, ランゲルハンス細胞は明瞭に陽性, 表皮メラノサイトは一部分が弱陽性を示した。<BR> 3) 真皮内では樹枝状のS100蛋白陽性組織球(真皮ランゲルハンス細胞, T-zone histiocyte)を認めた。<BR> 4) 皮下脂肪細胞の原形質および軟骨細胞(耳介軟骨)に陽性反応を見た。<BR> 5) 皮膚付属器では, エクリン汗腺の分泌細胞が一部陽性, エクリン分泌物および小皮は一部弱陽性で, エクリン腺およびアポクリン腺の筋上皮細胞は陽性を示した。<BR> われわれは, 既知の所見を再確認し, さらに, 5) に記した正常エクリン汗腺の分泌細胞におけるS100蛋白の局在についての新しい知見を得た。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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