最近20年間における職業性接触皮膚炎教室例の臨床的, 統計的観察
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概要
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教室において最近20年間に経験された職業性皮膚疾患のうち, 接触皮膚炎に注目してみると, ゴム皮膚炎57例, セメント皮膚炎26例, 農薬による皮膚炎12例, 植物皮膚炎4例, 化学熱傷16例, 化学工場内発生皮膚炎13例およびその他の皮膚炎18例, 計146例で, これらの臨床的, 統計的観察によつて以下の諸点が興味深く考えられた。1) ゴム配合剤およびセメント含有微量金属の貼布試験陽性例では, 2-メルカプトベンゾチアゾールおよび重クロム酸カリウムによる陽性頻度が高かつた。2) 化学熱傷では, リン酸曝露の1例が死亡した。3) 某化学工場に発生した芳香族炭化水素化合物の2-アミノ-4-クロールフェノールおよび4-メチルスルホニル2,6ジニトロ NN ジプロピルアニリンの接触過敏性皮膚炎では交叉感作の問題が重要と考えられた。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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