最近20年間における光線皮膚症教室例の臨床的, 統計的検討
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概要
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昭和38年から同57年までの20年間に, 山口大学皮膚科を受診した光線皮脂症は517例(男子236例, 女子281例)で, 外来患者総数に対する割合は0.9%であつた。年度別患者数は昭和51年以降やや減少傾向にあり, 初診月は7月を最高に4月から9月に多かつた。病型では, 光線過敏症型薬疹141例, 多形日光疹31例, ポルフィリン症17例, 色素性乾皮症15例, 光接触皮膚炎11例, 日光皮膚炎10例, 種痘様水疱症5例, 日光蕁麻疹2例, および精査が不充分で病理不明とした光線過敏性皮膚炎が285例であつた。光線過敏症型薬疹中, 検査で陽性であつた確診例は21例(14.9%)で, うち12例がサイアザイド系降圧剤によるものであつた。また本型のうち34例は光線性白斑黒皮症型であつた。ポルフィリン症は晩発性皮膚ポルフィリン症11例, 骨髄性プロトポルフィリン症4例, コプロポルフィリン症2例であつた。色素性乾皮症では, 発病年令が生後6ヵ月以内の群で, 知能低下, 身体発育異常を伴う例が多く, また若年で腫瘍性変化を生ずる傾向がみられた。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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