最近20年間における熱傷死亡教室例の臨床的, 統計的観察
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概要
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昭和38年∼57年の20年間の山口大学医学部皮膚科教室の入院新鮮熱傷症例で輸液を必要としたのは計48例であり, うち男子12例および女子3例, 計15例が死亡し, 死亡率は31%を示した。この20年間における前半と後半との各10年間, Evans法とBaxter法との各公式が用いられた年代間, およびICUの協力が得られる以前と以後との各時期間におけるそれぞれの死亡率には有意差が認められなかつた。成人例および幼小児例中の受傷面積60%以上の症例に関する死亡率はそれぞれ82%および40%で, 成人症例の方が幼小児例よりも予後は不良であつた。また老人症例では受傷面積が15∼30%でも, 死亡率は80%で, 予後はきわめて不良であつた。予後に影響を与えた因子について検討した結果, 成人症例のショック期では急性腎不全, 成人症例の感染期以降では緑膿菌感染, また幼小児および老人症例では呼吸器系の障害が, それぞれ重要な問題として指摘された。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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