抗Actin抗体による正常皮膚および腫瘍組織の検討
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概要
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抗actin抗体を作製し, それを用いた蛍光抗体間接法により, 正常皮膚ならびに各種の良性, 前癌性および悪性腫瘍のactin分布を観察し, 以下の結果を得た。<BR> 1) 正常皮膚では被覆表皮, 毛包, 汗腺の各ケラチノサイト, 起毛筋細胞および血管壁の内皮細胞ならびに平滑筋細胞に陽性蛍光を認めた。<BR> 2) 良性腫瘍である脂漏性角化症およびエクリン汗管上皮腫では, basaloid cellは蛍光陽性であつたが, squamoid cellは陽性ないし陰性と一定しなかつた。<BR> 3) 偽癌に属するケラトアカントーマおよび前癌性疾患の老人性角化腫では蛍光陰性であつた。<BR> 4) 悪性腫瘍であるボーエン病では蛍光陽性であるが, 基底細胞上皮腫, 有棘細胞癌, malignant trichilemmomaおよび悪性黒色腫では陽性蛍光が消失ないし減少する傾向が認められた。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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