PUVA療法後に生じた特異な色素沈着の2例
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概要
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尋常乾癬の長期PUVA療法後, 照射部位に一致して特異な色素斑を生じた2症例を報告した。臨床的には花弁状∼金平糖様の色素斑を特徴とし, 組織所見では角層内, 有棘層内に散在するメラニン色素と, 真皮のメラニンを貪食したメラノファージの著明な増加を認めた。これらの変化が特異な色素斑を形成したものであるが, 発生機序を考えると, 正常な皮膚の防御反応である色素沈着がPUVAによりメラノソーム調節機構に何らかの変化を起し, 今回のような色素沈着をきたしたと推察した。最近はPUVAによる種々の副作用も報告されており, 自験例は総照射量138jouls/cm<SUP>2</SUP>, 167jouls/cm<SUP>2</SUP>と比較的少量のUVA照射で表皮に重要な変化を認めており, 今後2症例の経過を十分に追跡する必要性を認めた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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