サルコイドーシスにおける瘢痕浸潤について
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概要
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金沢大学および金沢医科大学の各皮膚科で最近の21年間に観察したサルコイドーシスは179例, うち瘢痕浸潤を伴つたもの34例(19%), これは皮膚サルコイドを伴つたもの(29例)および同期間に扱つたいわゆるシリカ肉芽腫(数例)よりも多かつた。瘢痕浸潤の部位は膝が最多(48%), あと肘(23%), その他。単部位のほか, 多部位の瘢痕の浸潤例もあつた。傷の種類は擦過傷が最多, まれに皮下の瘢痕やKveim生検部位の浸潤もみられた。臨床像は瘢痕の軽い赤みとやや硬い腫脹であるが, 赤みと少量の鱗屑のみの軽微な変化もあつた。組織像はガラス様異物を含んだ類上皮細胞内芽腫と線維化が特徴的。電顕像ではライソソーム様dense bodiesの多いI型細胞, 空胞の多いII型細胞, residual bodiesやミエリン様構造の多いIII型細胞がみられた。分析電顕によつて異物は粘土鉱物と推定され, 発光分光分析によつて肉芽腫内にシリカの多いことが証明された。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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