ヒトマスト細胞(色素性蕁麻疹)およびラット腹腔マスト細胞(compound 48/80処理)の微細構造
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概要
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色素性蕁麻疹の真皮ヒトマスト細胞の微細構造およびラット腹腔より得たマスト細胞をcompound 48/80にincubateした後の脱顆粒現象を透過型ならびに走査型電顕で観察した。ヒトマスト細胞は特有な絨毛様突起を持ち, 細胞質内には種々の電子密度の違いを持つ顆粒が存在した。顆粒の膜様構造は直線状, 渦巻状, 指紋状の形態を示し, 細胞質膜構造より形成されることが示唆された。Compound 48/80にincubateしたラットマスト細胞は透過型で観察すると顆粒は著明に膨化, 空胞化を示したが, 核の変化はみられなかつた。また走査電顕ではラットマスト細胞はゴルフボール様の球体で細胞表面に蕾状の顆粒が多数認められ, 細胞質内に充実性顆粒が多数存在する様子が窺われた。Compound 48/80にincubateしたラットマスト細胞はやや変形した球体を示し顆粒の空胞化, あるいは顆粒実質の放出のため細胞表面の顆粒状凹凸は減少し, 顆粒の放出された跡と思われる陥凹が認められた。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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