アレナウイルス感染症
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概要
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アレナウイルスはアレナウイルス科に属するウイルスの総称で,細胞内で増殖し,ウイルス粒子内に宿主細胞のリボゾームが取り込まれ,これが砂状に見えるのでラテン語の砂粒(arenosus) にちなんで命名された.感染症法において1類感染症に指定されているラッサ熱を引き起こすラッサウイルス,南米出血熱の原因ウイルスとしてフニンウイルス,グアナリトウイルス,サビアウイルス,マチュポウイルス,チャパレウイルスなどが,ヒトに強病原性のアレナウイルスとして知られている.いずれも一種病原体に指定されている.また最近では,2008年にアフリカ南部地域で小規模なウイルス性出血熱が流行し,新規のアレナウイルス(ルジョウイルス)が同定された.日本では1987年のラッサ熱患者の1症例を除きアレナウイルスによる出血熱患者の発生はないが,他のウイルス性出血熱と同様に,いつ我が国で輸入症例が発生してもおかしくない状況であることから,病状や致死率を考えると診断や治療を行えるように整備しておく必要がある.本稿では,アレナウイルス感染症について,基礎研究から診断方法,ワクチン開発までを広く概説する.
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