フォガティーカテーテルを用いた小児気管支異物摘出法
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概要
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小児の気管・気管支異物は,2歳以下に多い。異物吸入の病歴がないと,咳嗽や喘鳴から,気管支喘息等で治療を受ける場合がある。治療は硬性気管支鏡 (以下,硬性鏡) 下の鉗子による摘出が主であるが,時に困難な症例に遭遇する。今回,硬性鏡下の鉗子による摘出が困難であり,フォガティーカテーテル (以下,FC) を用いて摘出した2症例を経験した。症例1は,1歳8カ月男児のピーナッツ異物。持続する咳嗽を主訴に近医を受診し,改善しないため紹介となった。左主気管支末梢側に異物を認めたが,硬性鏡下の鉗子把持が困難であった。FCを鉗子口より挿入し,バルーンを異物末梢側で拡張させ引き上げて摘出した。症例2は10カ月男児のひまわりの種異物。喘鳴の症状があり近医で気管支喘息として治療されたが改善せず,気管支異物が疑われ紹介となった。気管内腔が狭く,硬性鏡の挿管は困難であった。細径の軟性気管支鏡 (以下,軟性鏡) 観察下にFCを異物末梢側まで挿入し,バルーンで引き上げて摘出した。硬性鏡下の鉗子把持が困難な症例や,気管内腔の狭い症例には,FCを用いた摘出法は有用であり,従来の硬性鏡以外に細型軟性鏡の併用でも摘出可能であると考えた。
- 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会の論文
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会 | 論文
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